Yae’s life

僕が学んできた様々な文献、論文をもとに日々の生活を少しでも良いものにしてもらおうと思って、役立つ研究内容やその具体的使用法を解説していきます

人間の評価はえこひいきしがち

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今回は人間の評価について書いていきたいと思います

 

皆さんは日頃からものや人に対して何らかの評価を下していますよね

その際、平等に評価をしているように感じると思いますが、実はえこひいきが入っていたのです

 

 

ネッカーの立方体というものを皆さんご存知でしょうか?

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この図を見ていると、いつの間にか向きが変わって見えます

同様に、人間が「人の評価」をする際にも似たようなことが起きてしまうことを

ジュネーブ大学 結晶学者ルイス・アルバート・ネッカーの実験により分かりました

 

 

人間はえこひいきしがち

 

Aチームの被験者には

これから「(健康的じゃない)アイスを食べてもらいます」と伝える

 

Bチームの被験者には

これから「(健康的な)生ケールを食べてもらいます」と伝える

 

 

 

次に、両方のチームに

  1. アイス
  2. 生ケール
  3. スパム(不味い上に不健康だとされるもの)

の類似点を判断してもらいました

 

 

結果

 

Aチームは

ケールとスパムが似ていると答えた

(理由は「美味しくないから」と味の点で評価

 

Bチームは

スパムとアイスが似ていると答えた

(理由は「身体に悪いから」と健康の点で評価

 

という結果となった

 

つまり、

ある物事がいったん自分の経験に近づくと、その物事を肯定的に見る癖がある

ということです

 

 

 

具体化

脳は「自分の経験を出来るだけ有効活用する」ために(愛着があったかどうかは関係なく)、その経験にとって都合のよい視点を演出することが得意なのです

 

そして、その視点がいったんしっくりくるともはや一方からしか物事を判断する事が出来なくなる訳です

 

その例として

宝くじを当ててお金を得た人は、お金に対する評価が低く性格も変わってしまうといったことは良く言われますし、

 

図書館で本を借りても期限までに読み終えることが出来なかった、

 

友人から試写会のチケットを貰い映画を観たが、その映画がいまいちだった場合単純に低評価をしたり

といった具合です

 

 

しかし、

働いて得た給料であったり

 

自分で購入した本であったり

 

自分で購入したチケットで観た映画だと

 

対価に見合った分取り戻そうとし、違った評価を下すと思います

このように一般的に人の評価というものは曖昧なのです

ですから、何かを評価する場合は「もしも逆の視点から評価してみたらどうだろうか?」ということを考える習慣をつけましょう

 

 

 

まとめ

経験のえこひいきがないか自分を振り返ろう

 

 

 

以上が今回の内容となります

いかがだったでしょうか

 

それでは

科学的勉強法 〜復習の技術編〜 「成績が良くならない?勉強を減らすと良くなるかも⁉️」

今回は予告通り勉強方法について書いていきたいと思います。

 

 

勉強をやり過ぎてはいけない!

学校の授業や、塾、予備校の授業で日々新しい内容を学びますよね

 

そして多くの学生さんはその日の内容を復習して覚えようとすると思います

 

しかし、中間試験や期末試験をいざ解いてみると

「あれっ?やったはずなんだけど出てこない」

「ヤベッ」

 

って経験をしたことがあると思います

 

なぜ、勉強をしたはずなのにこんな事が起こってしまうのでしょうか?

 

これは

人間の学習と記憶

を知ることで納得できると思います

 

受験勉強で忙しい方は

要点まとめ

だけでも必見ですよ

 

 

「勉強のし過ぎ」とは?

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勉強をし過ぎることを専門用語では

集中学習

と言います

 

簡単に言うと

一度理解した内容に類似した問題を何度も何度も解くということです

 

数学の教科書をイメージしてもらうと分かり易いかと思います

 

 

初学の内容で理解するまではこの集中学習が有効なのですが、

2005年に行われた実験から、集中学習には限界があることがわかりました

 

 

実験内容

Rohrer,D., Taylor,K., Pashler,H., Wixted,J.,and Cepeda,N.J.(2005)

The effect of over learning on long-term retention. Applied Cognitive Psychology,19,361-374.

 

出来るだけ長い間忘れないためには、集中学習は有効か?

という内容の実験で以下の方法で実験を行いました

 

 

集中学習するグループの実験参加者は、ある課題を行なって理解した後、続けて同じ内容の学習を行った。

集中学習するグループは集中学習しないぐるーぷと比べ4倍の練習問題をこなした

 

学習課題は、外国の都市名と国名を一致させて覚えることや、単語とその意味の組み合わせを覚えるといった内容

 

例)デトロイト  -  アメリ

       プネー  -  インド

といったもの

学習後、1週間後あるいは3週間後の間隔を設けてどれぐらい覚えているかを調査するテストを行った

 

実験参加者は130人の大学生

 

<イメージ>

     集中学習するグループ

          学習  +  さらに学習  →  テスト(1 or 3週間後)

 

     集中学習しないグループ

          学習  →  テスト(1 or 3週間後)

 

 

 

結果

1週間後に行われたテストの点数では集中学習を行ったグループが正答率が高かったが、

3週間後にはどちらのグループもほとんど点数の差が見られなかった

(2006年に同グループが行った実験で数学でもこのことが立証された)

 

 

つまり

長く覚えておきたい場合、集中学習は向いていない

ということなんです

 

仮に来週小テストがあるといった場合なら集中学習をすることで効果がありますが

その内容も3週間後にはほとんど消えてなくなります

 

 

では、どういった学習をしていけば良いのでしょうか?

もちろん全く復習しないでも良いと言いたい訳ではないです

集中学習とは別の学習が必要なのです

 

 

要点まとめ

入試などの先を見据えた学習の場合で

出来るだけ長期記憶したい場合、

習ってすぐの復習(集中学習)は効率的ではない

 

 

すぐに復習してはいけない

 

集中学習は、学習後すぐに復習を行うタイプの学習です。この方法のデメリットは上で述べた通りです

 

では、どういった学習をすると良いのでしょうか?

 

 

最初の復習まで少し寝かせろ

アメリカの研究グループが2008年に以下の内容を発表しました

 

 

実験参加者は、歴史的な事実を覚える学習(全32問)に取り組んでもらい、学習後暫くしてから復習を行ってもらった

(復習期間は0〜105日と分けた)

 

復習では全く同じ問題に取り組んでもらった

 

復習後暫くしてからどれくらい覚えているかを調べるテストを行った

(7日と35日の2通り)

 

参加者は様々な国から総勢1354人がインターネットを通して実験に参加した

 

 

結果

テストまでの期間が7日の場合は、復習を数日内に行うと点数が高く

 

テストが35日後の場合には、復習を10日過ぎに行うと得点が高いことがわかった

 

 

また学習後にすぐ復習を行う集中学習は、最も効果がなかった

 

 

 

長期的な成績に最適な学習は「分散学習」

テストの得点が一番高くなるベストな復習のタイミングはいつでしょうか?

ここまでの内容を読んできた方は薄々感じ取れたかもしれませんね

 

 

上記で記した実験の結果から

目標とする日によって復習するタイミングを調節しなければならないことがわかります

 

 

最初のタイミングはいつ?

復習のタイミングは1:5がベスト

 

例えば、35日後に期末試験が行われると仮定します

 

そうすると初学時から期末までの35を5で割ると7となります

 

つまり

35日後に試験が行われる場合、5〜7日後に1回目の復習を行い

その後7日間のペースで計5回の復習を行うと良いことになります

 

 

 

全体のまとめ

長期的に覚えたいのなら「集中学習」は向いていない

「分散学習」にシフトしましょう

 

最初の学習から最初の復習までの間隔

最初の復習からテストまでの間隔は

1:5がベスト

 

2回目以降の復習はテストまで均等に行うこと

 

 

今回はここまでとさせていただきます

 

今回は効率的な復習についてでした

いかがだったでしょうか?

ぜひ、実践してみてください

 

また、「科学的勉強法」シリーズは定期的に投稿していきたいと思うので、要望などありましたらコメントをよろしくお願いします

 

それではまた

 

人の記憶が曖昧だった件

今回は人間の記憶について興味深い内容について書きたいと思います

 

皆さんは、今までの人生で得た楽しい記憶でどのようなものがありますか?

 

「彼女とデートで食べたディナー」

「部活で優勝した記憶」

「苦労した受験勉強」

 

楽しい思い出や苦い思い出、人それぞれあると思います。

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この思い出は何%ほど正確に記憶されたものなのでしょうか?

皆さん考えたことはありますか?

 

 

人間の記憶は曖昧だった

 

カリフォルニア大学 認知科学者エリザベス・ロフタスの実験で以下のような内容を行いました

 

被験者にディズニーランドで

観光客(被験者)がバックスバニーと握手している

「合成写真」をみせたところ

 

40パーセントの被験者が

「自分もディズニーランドでバックスバニーに会ったこと」を

思い出しました

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んんんん…??????

 

その記憶はありえない

 

いや、強欲のグリードさんも

「ありえないことなんて、ありえない」

と申してましたが

 

被験者たちは事実、ディズニーでバックスバニーと写真をとっていないはずなのです

 

 

 

つまり

 

人間の記憶は出来事に対して

都合の良いようにすり替わる

 

ということです

 

(もちろん、被験者は電子レンジを使ってタイムリープしてませんし、リーディングシュタイナーもないです)

 

 

 

人間の記憶は一度覚えると忘れることはないという説もありますが、解釈が加わることがこの実験から汲み取れます

 

 

具体化

皆さん、昔苦手で今も敬遠しがちなことってありませんか?

 

この実験でわかったように人間の記憶は曖昧で再度チャレンジしてみると良いかもしれません

 

案外たやすく攻略できるかもしれませんよ

 

 

 

まとめ

人間の記憶は曖昧である

もしかすると、昔苦手だったことでも記憶の解釈が加わっているせいかもしれない

とりあえずやってみよう

 

 

 

 

今回はここまでとします

 

次回は効率的な勉強法について書いていきたいと思います

 

それでは

やる気は出てくるものじゃなかった!?

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 前回は目標設定について書きましたが、今回は立てた目標を達成するためのやる気に関する内容を言及していきたいと思います

 

あなたは知らずしらずのうちにやる気を削いでいた

 

「今日はあれをやろう」

「明日はバイト休みだから少し勉強しとこうかな」

「通勤時間に資格試験の勉強をしよう」

などと目標を考えている間は皆さんやる気に満ち溢れ、達成するイメージが湧いていますよね

 

しかし、いざ始めるとラインの通知がきたり、友達に話しかけられたり、スマホに入ってるゲームをついつい開いてしまったりと気がつけば時間を無駄にして、まあいいかという結果に終わる

 

また、別の目標を立てた時も気がつくと他のものに気を取られ30分、1時間と経過していた

 

もしかしてキングクリムゾンを使われてるんじゃないかなんてことありますよね

 

これは、みなさんのやる気が足りないわけでも、集中力がないわけでもないんです

 

行動経済学者ディリップ・ソマンとアマール・チーマの研究では協力者に24枚のクッキーの箱を渡しました

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Aチームの協力者には

剥き出しでクッキーが入っている箱を渡しました

 

Bチームの協力者には

1枚1枚クッキーが個包装されている箱を渡しました

 

 

こんな実験意味あるの?

どっちもクッキー食べるだろ

と思いませんか

 

 

 

結果

Aチームは

平均して6日間でクッキーを全て食べてしまいました

 

対して

Bチームは

平均して24日間でクッキーを完食しました

 

つまり、

行動に必要なアクションの数が減ると、早く行動に移るようになり、

必要なアクションの数が増えると、行動に移るまでがゆっくりとなってしまう

ということ

 

 

 皆さんも、ふとスマホを手に取るとSNSをチェックしたり、ゲームアプリを開いたり、YouTubeで動画を見だしたり

 

なぜでしょう?

 

 

スマホは限りなく無駄を省き、単純で直感的な操作で使用できるようになっています

つまり、そこにゲームや動画サイトなどの誘惑があればそこに注意が引かれることは必然のことなのです

 

 

僕たちの行動はアクションが少ない方へと流されます

 

ですからアクション数を意図的に変化させることで、悪い習慣を無くして、良い習慣を獲得する手助けになります

 

 

 

具体化

例えば、ツイッターをよく見てしまい時間を浪費してしまう

といった問題の場合

 

スマホ上で後ろの方のページにツイッターのアイコンを置いたり、

ツイッターを開く時に打ち込むのが面倒臭いほど長いパスワードを設定したり

(アプリをロックするアプリを使う)

 

ツイッターを開くまでにいくつかのステップを設けることをしましょう

 

逆に、積極的にやって行きたいことの場合は

 

TOEICの学習をやりたい場合

机の上にあらかじめテキストを用意しておいたり、

 

先程述べたように、スマホは単純な操作が可能でついつい触ってしまうという現象を利用して

スマホを開いて一ページ目に学習関係のアプリを設置しておく

といったことをしておくと良いです

 

 

まとめ

やりたいことは手順をなるべく少なく

やめたいことは手順をなるべく増やす

 

 

 

以上が今回の内容となります

 

いかがだったでしょうか?

もし、興味を持った方は今後の記事も是非閲覧お願いします

 

また、今回得た内容の実践も忘れずに!

 

では 

 

目標設定に必要なのは理由?それとも行動?

今回は一発目のメソッドということで目標設定について書いていきたいと思います

 

 

みなさんも何か達成したい事があったらまず、目標を立てますよね

 

例えば

   「TOEICで900点を超える」

   「センター試験8割」

   「毎日本を読む習慣をつける」

   「早寝早起をする」

といった具合に

 

 この目標を達成しようと思っても、1日2日3日…と日が経つうちにどんどんメンドくさくなって、またできなかったと自己否定に走る事ありませんか?

(僕はよくそうなってました)

 

 

心理学者が語る成功する目標設定

 心理学者ヤーコブ・トローペとニラ・リーベルマンの実験では学生を対象に以下の実験を行いました

 

学生に次のようなお願いをします

 

 

                                簡単なアルバイトです        

                         人間の行動に関する調査のため、

                     アンケートの協力をお願いしています。

                         3週間以内にアンケートの回答を

                   送ってくれた方には謝礼を差し上げます。 

 

 

上記のお願いをする前に二つのチームにわけ、それぞれ次のことを行ってもらいました

 

1,「日記を書く」

    「銀行口座を開く」

    「旅行をする」

     など10個の行動を見せて、人間はこれらの行動をなぜするのか、

     理由を書いてもらいました

 

2,「日記を書く」

    「銀行口座を開く」

    「旅行をする」

     など10個の行動を見せて、どのようにすればそれができるのか、

     具体的な手順を書いてもらいました

 

 

さあ、皆さんはどちらが重要だと考えますか?

ここで少し考えてみてください

 

 

 

 

結果

2のチームの学生は1のチームと比べて、平均10日早くアンケートの回答を送った

 

 

 

皆さんこの結果から何が読み取れるかわかりますか?

 

行動の理由を考えると行動力が鈍くなり

何をすべきか?に意識を向けると具体的な行動をしやすくなる

 

ということです

 

 

解説 

 僕たちは面倒臭いことや嫌なことが起きた時、

「どうしてこんなことになったんだ」

「なんで、こんなことをしなきゃいけないんだ」

と〝理由″を考えてしまう癖があるのです

 

この思考回路を改善しない限り、行動力をあげることは困難です

 

もし皆さんがこれから先

理由探しに思考が占領された時には、「まず、どうしたらいいだろうか?」と手続きに意識を向けることをしていくようにしましょう

 

 

具体化

 ではこれらの内容を生活に落とし込みましょう!

例えば

「朝いつもより早起きして、英語学習しよう」

 

と目標設定するのではなく

 

「朝6時に起きて、台所に行き水を飲んで目を覚ました後、前日の夜に机の上に用意しておいたテキストの過去完了形のページを開き、チャプターをする」

 

といった具合に具体的な行動内容も考えるようにしましょう

 

今回はここら辺で終了とします

 

今回の行動を考えるということも重要なないようですが目標設定に関する研究は一度では説明できないほどたくさん存在します

 

興味を持った方は是非今後の内容もご覧ください

 

ブログ開設とこれからの方針

僕がブログを開設しようと思ったワケ

 

僕は現在微生物を専門にやってます

まあ、微生物屋さんって感じです

 

大学に入って様々な学術書や論文、文献を目にしてより効率的な学習方法やQOL(人生の質)を上げる方法を知り、そこで学んだことを実践することで同年代の人と比べると成功してるかなと思えるようになりました。

 

たしかに成功したという実感を得ることはできたのですが、これを「もっと早く知っていたら」、「だれか教えてくれても良いんじゃないか」と思い是非みなさんにこのブログを読み、得た知識を使ってもらいたく思って始めました。

 

これからの方針

はい、まあここからが本題です

学生なら友人付き合いや勉強、部活、社会人だと上司や部下、仕事で様々な悩みを抱えているかたも少なくないと思います

(自分も小学中学といじめを受けていて高校では不登校と成っていました)

 

しかし、これから紹介する科学的根拠に基づいた方法を実践してもらう事で勉強だったり、仕事だったりをよりよいものにするための方法をわかりやすくまた、具体例を用いて解説していきたいと思います。

 

とりあえずこれから記事を書いていくので是非読んで実践してみてください

 

一人で勝手に助かるだけ。」と忍野大先生も申してますから

 

それでは