Yae’s life

僕が学んできた様々な文献、論文をもとに日々の生活を少しでも良いものにしてもらおうと思って、役立つ研究内容やその具体的使用法を解説していきます

科学的勉強法 〜復習の技術編〜 「成績が良くならない?勉強を減らすと良くなるかも⁉️」

今回は予告通り勉強方法について書いていきたいと思います。

 

 

勉強をやり過ぎてはいけない!

学校の授業や、塾、予備校の授業で日々新しい内容を学びますよね

 

そして多くの学生さんはその日の内容を復習して覚えようとすると思います

 

しかし、中間試験や期末試験をいざ解いてみると

「あれっ?やったはずなんだけど出てこない」

「ヤベッ」

 

って経験をしたことがあると思います

 

なぜ、勉強をしたはずなのにこんな事が起こってしまうのでしょうか?

 

これは

人間の学習と記憶

を知ることで納得できると思います

 

受験勉強で忙しい方は

要点まとめ

だけでも必見ですよ

 

 

「勉強のし過ぎ」とは?

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勉強をし過ぎることを専門用語では

集中学習

と言います

 

簡単に言うと

一度理解した内容に類似した問題を何度も何度も解くということです

 

数学の教科書をイメージしてもらうと分かり易いかと思います

 

 

初学の内容で理解するまではこの集中学習が有効なのですが、

2005年に行われた実験から、集中学習には限界があることがわかりました

 

 

実験内容

Rohrer,D., Taylor,K., Pashler,H., Wixted,J.,and Cepeda,N.J.(2005)

The effect of over learning on long-term retention. Applied Cognitive Psychology,19,361-374.

 

出来るだけ長い間忘れないためには、集中学習は有効か?

という内容の実験で以下の方法で実験を行いました

 

 

集中学習するグループの実験参加者は、ある課題を行なって理解した後、続けて同じ内容の学習を行った。

集中学習するグループは集中学習しないぐるーぷと比べ4倍の練習問題をこなした

 

学習課題は、外国の都市名と国名を一致させて覚えることや、単語とその意味の組み合わせを覚えるといった内容

 

例)デトロイト  -  アメリ

       プネー  -  インド

といったもの

学習後、1週間後あるいは3週間後の間隔を設けてどれぐらい覚えているかを調査するテストを行った

 

実験参加者は130人の大学生

 

<イメージ>

     集中学習するグループ

          学習  +  さらに学習  →  テスト(1 or 3週間後)

 

     集中学習しないグループ

          学習  →  テスト(1 or 3週間後)

 

 

 

結果

1週間後に行われたテストの点数では集中学習を行ったグループが正答率が高かったが、

3週間後にはどちらのグループもほとんど点数の差が見られなかった

(2006年に同グループが行った実験で数学でもこのことが立証された)

 

 

つまり

長く覚えておきたい場合、集中学習は向いていない

ということなんです

 

仮に来週小テストがあるといった場合なら集中学習をすることで効果がありますが

その内容も3週間後にはほとんど消えてなくなります

 

 

では、どういった学習をしていけば良いのでしょうか?

もちろん全く復習しないでも良いと言いたい訳ではないです

集中学習とは別の学習が必要なのです

 

 

要点まとめ

入試などの先を見据えた学習の場合で

出来るだけ長期記憶したい場合、

習ってすぐの復習(集中学習)は効率的ではない

 

 

すぐに復習してはいけない

 

集中学習は、学習後すぐに復習を行うタイプの学習です。この方法のデメリットは上で述べた通りです

 

では、どういった学習をすると良いのでしょうか?

 

 

最初の復習まで少し寝かせろ

アメリカの研究グループが2008年に以下の内容を発表しました

 

 

実験参加者は、歴史的な事実を覚える学習(全32問)に取り組んでもらい、学習後暫くしてから復習を行ってもらった

(復習期間は0〜105日と分けた)

 

復習では全く同じ問題に取り組んでもらった

 

復習後暫くしてからどれくらい覚えているかを調べるテストを行った

(7日と35日の2通り)

 

参加者は様々な国から総勢1354人がインターネットを通して実験に参加した

 

 

結果

テストまでの期間が7日の場合は、復習を数日内に行うと点数が高く

 

テストが35日後の場合には、復習を10日過ぎに行うと得点が高いことがわかった

 

 

また学習後にすぐ復習を行う集中学習は、最も効果がなかった

 

 

 

長期的な成績に最適な学習は「分散学習」

テストの得点が一番高くなるベストな復習のタイミングはいつでしょうか?

ここまでの内容を読んできた方は薄々感じ取れたかもしれませんね

 

 

上記で記した実験の結果から

目標とする日によって復習するタイミングを調節しなければならないことがわかります

 

 

最初のタイミングはいつ?

復習のタイミングは1:5がベスト

 

例えば、35日後に期末試験が行われると仮定します

 

そうすると初学時から期末までの35を5で割ると7となります

 

つまり

35日後に試験が行われる場合、5〜7日後に1回目の復習を行い

その後7日間のペースで計5回の復習を行うと良いことになります

 

 

 

全体のまとめ

長期的に覚えたいのなら「集中学習」は向いていない

「分散学習」にシフトしましょう

 

最初の学習から最初の復習までの間隔

最初の復習からテストまでの間隔は

1:5がベスト

 

2回目以降の復習はテストまで均等に行うこと

 

 

今回はここまでとさせていただきます

 

今回は効率的な復習についてでした

いかがだったでしょうか?

ぜひ、実践してみてください

 

また、「科学的勉強法」シリーズは定期的に投稿していきたいと思うので、要望などありましたらコメントをよろしくお願いします

 

それではまた